PAC通信 vol.22

晃月スクール第3回卒業式


晴れやかな笑顔にかこまれた卒業式を迎えて

2012年9月4日、インドネシア・アチェ州の大アチェ県にある公立プカンバダ第一中学校にて、晃月スクール設立5周年記念式典&第3回卒業式を開催させていただきました。

今回は「良心、市民の会」より、永尾理事長を始めとする計7名のメンバーで参列させていただき、現地の皆様方と一緒に第3期生 9名の卒業を御祝いしました。

晃月スクール第3回 卒業生

それぞれの道を歩み、夢を現実にする未来へ。  (レポート: 李 澤玄)

9月4日に行われたインドネシア・アチェの語学教室「晃月スクール」卒業式出席のためアチェを訪問しました。当スクールはNPO「良心、市民の会」が運営面での支援を行っているもので、3年間受講をした子供たちが卒業式を迎える事が出来ます。選考コースは英語と日本語の二つで、第三回目の卒業式となりました。日本から7名の方が卒業式に出席し楽しい時間を共に過ごしました。
子供たちの前向きな姿や人に対する思いやりにあふれた姿に多くの感動を受けていたように思います。これまで私達はこの子供たちの姿を日本の多くの方々に伝えていくことがあまり出来ていませんでした。夢を持ち、その実現に努力している子供たちの姿は私達に感動と活力を与えてくれます。これを多くの人に共有して頂けるように取り組んでいきたいと思います。
卒業式には、当スクールの教室をお借りしているブカンバダ第一中学校の校長先生や前大アチェ県知事のブハリ氏など多くの来賓の方を始め、卒業生、アチェで日本語を教えている先生方など、卒業生&在校生を合わせ約200名が参列しました。在校生によるアチェダンスを合図に卒業式が始まり、最初に晃月スクール創設者の松川晃月先生からのメッセージが加古川理事により伝えられました。その後、各ご来賓のあいさつ、そして卒業証書の授与が行われました。また、自身の夢である高校の先生になり今年度で当スクールを退職することとなった、創設時からの英語教師であるエファさん、創設時から支援を頂いたブハリ氏へ感謝状と記念品の贈呈が行われました。
式典の後は、アチェ恒例のダンスや歌のステージが卒業生や在校生を中心に披露され大変楽しい時間を過ごしました。今回日本から初めて訪問された金山さんや、4年ぶり二回目の訪問の山道さんもアチェの子供たちと会話を楽しんだり、写真を取り合ったりと活発な交流を行っていました。
卒業式では「思いやりのうた」が手話を付けて在校生により歌われました。この歌は、一年前に日本から訪問してくれた吉川さんが伝えたのですが、今では校歌のようになっています。当スクールが関係するイベントでは必ず歌われています。優しさと「おもいやり」の違いを分かる素晴らしい子供たちがアチェを包むことを願っています。
大津波から8年弱の時間が経過したアチェでは、しっかりと自身の夢を持つ子供たちが多く、明るく活発に過ごしています。しかし、夢の実現には多くの壁があります。
子供たちの夢の実現への壁を少しでも低く出来る事を願って私達は活動を継続していきます。

晃月スクール第3回 卒業生

松川晃月先生の祝辞

ご卒業にあたり、一言お祝いの言葉を差し上げます。
あなたは長い人生の道の一つの関門を今通過しました。
あなたはどんな夢を持っていますか。
それがどんなものであれ、あなたが私達と共に学んだ技能が必ず役に立つと思っています。
私はあなたが将来日本との関係において役割を果たすことを夢に晃月スクールを開設しました。
どうか夢を夢で終わらせないでくさい。必ずできると信じてください。
ご卒業おめでとうございます。

孤児たちの今

今年6月26日から7月19日まで約3週間の日程でアチェを訪問しました。滞在中、当会奨学金を受給している子供達の現在の生活環境を把握するため、16人の子供さんを訪ねました。
災害孤児の子供達の自立を支えるための就学支援奨学金。子供達が無事に高校を卒業するまで、まだまだ支援が必要な現状を皆様に知っていただきたく、今回14名の子供さんを紹介させていただきます。

Irani Novaちゃん Laina Misqaちゃん Maulianaちゃん

高校3年生。卒業したらシャクワラ大学経済学部へ行きたい。津波で母・兄・妹を亡くし、生き残ったのはお父さんと自分。今はおばさん家族と暮らしていて、お父さんは別の家に住んでいる。

中学3年生、国語・英語が得意。津波で両親・妹を亡くし、一人残った、時々寂しくなる。イスラム教の学校で寄宿舎生活をしている。お医者さんになりたい。後見人は母の姉のおばさん。

小学6年生、数学・国語が得意、学校の先生になりたい。津波でお父さんを亡くした。五人兄弟の末っ子、上の兄2人が働いて生活を支えている、兄・姉はイスラム教の大学へ通っている。

Aulia Maulianaちゃん Aldi Maulizarくん Rifka Andaliaちゃん

小学3年生。津波でお父さんを亡くした、上の兄二人は奨学金の支援を受けていたが学校へ行かなくなり支援を打ち切られた。現在は上の兄は母の弟のコーヒーショップを手伝っている、下の兄はバイクのメンテナンスをしている。母はケーキを作って近くのコーヒーショップへ販売して生計を立てている。

高校1年生。津波でお父さんと兄を亡くした。お母さん・長男・妹と暮らしている。お兄さんが雑貨商をして生活を支えている。この地区は5m以上の津波が来て全て流されてしまった。学校では生物・バレーボールが得意。

中学3年生。津波でお父さんと兄を亡くした。お母さんと二人で生活している。お父さんが公務員だったので遺族年金がある。将来は大学で経済学を教えたい。お母さんの話では津波体験の精神的な恐怖感がまだ取れない。

Raudhatul Hayati(ハヤティ)ちゃん
Nur Haliza(ハリザ)ちゃん
Zikri(ジクリ)くん

津波でお父さんと姉一人を亡くした家族。現在七人家族で上二人の姉は結婚して独立、長男と母親は近くのレンガ工場で働いている。レンガを500個/1日に製造して25,000RPの収入を得ている、食べるだけで精一杯。

◎ハヤティちゃんは高校卒業後シャクワラ大学経済学部に進みたいが家庭の事情で就職しなければならない。(高校3年生)
◎ハリザちゃんは物を作ることが好きで数学・国語が得意。(中学2年生)
◎ジクリくんはサッカーが好き。(小学4年生)Zikri(ジクリ)くん、Nur Haliza(ハリザ)ちゃん、Raudhatul Hayati(ハヤティ)ちゃんは津波でお父さんと姉一人を亡くした家族。現在七人家族で上二人の姉は結婚して独立、長男と母親は近くのレンガ工場で働いている。レンガを500個/1日に製造して25,000RPの収入を得ている、食べるだけで精一杯。

Rahmad Auliaくん Sri Rahmawatiちゃん Maghfirah Novitaちゃん

小学3年生。津波で両親・姉・次男を亡くし、長男と本人だけ残った。両足に障害がある(PAC通信Vol.17でも紹介された)。おじさんの家族と生活している、障害があるが将来サッカー選手になりたい。

小学3年生。津波でお父さんを亡くした。お母さんの兄から生活支援を受けている。

高校2年生。津波でお父さんを亡くした。お母さんと兄二人と生活している。長男は大学生、次男は車関係の仕事をしている。お母さんはケーキを焼いて販売している。将来は医学部へ進みたい。

Opi Wulandari(オピ)ちゃん
Muhammad(ムハマッド)くん

アチェの内戦でお父さんを亡くし、また津波でお母さんを亡くした家族。おじいさんとおばあさんに育てられている。おじいさんはバイクタクシー業で稼いでいる。

◎オピィちゃんはインテリアデザイナーになりたい、大学もデザイン学部のある大学に行きたい。(高校1年生)
◎ムハマッド君は背が高くスポーツマンタイプ。プロサッカー選手になりたい、駄目なら警察官になりたい。高校はスポーツの盛んなアチェ第9高校に進学したい。(中学3年生)

奨学金について
2012年8月末現在、139名の災害孤児を対象に生活保護を含む就学支援として、毎月一人300,000インドネシアルピア(現在のレートで約2,429円)の奨学金を給付しています。

このコーナーでは、私たちと一緒にインドネシア・アチェ州での活動を支えてくれている仲間のメッセージをお届けします。
今号は、LCOのデータ管理を担ってくれているMuhammad Prasetiadi(ムハマッド・プラスティアディ)君です。通称・プラス君は、いつも笑顔を絶やさない25歳の青年です。活動の広がりとともにデータ管理は複雑化し、とても重要な作業ですが、いつも笑顔で子供達への活動を支えてくれています。


チームワークと責任感の大切さを学ぶことが出来た。

私は、両親が学校の先生という家庭の男5人兄弟の長男として北アチェ県で生まれました。インドネシア政府軍とGAM(独立派武装組織)の紛争がエスカレートし、中学の時にバンダ・アチェに移り住みました。2004年12月26日の地震と津波で、母親と三男を失いました。
2008年3月、データ管理を担う役割としてLCOの一員になりました。当初の作業は、奨学金受給者として登録された子供たちの情報、および子供たちから提出される毎月のレポートを、映像を交えてより分かり易く効率的に管理することでした。
LCOの一員となって以降、活動を通じて海外の人々と関わるようになり、日々の様々な問題を処理・解決するために、チームワークと責任感の大切さを学べたことをうれしく思っています。
これからも「良心、市民の会」の皆様とともに教育分野でアチェの子供たちを支え続けることができることを願っています。いつもありがとうございます。

Muhammad Prasetiadi(プラス)くんのメッセージ

Rahmayanti(ラマヤンティー)さんは「晃月スクール」第1期卒業生。
2010年、当会NPO設立3周年記念式典の際に来日しています。 今年高校を卒業し、「POLTEKKES KEMENKES ACEH」という政府認定の看護学校に進学しました。看護師になる夢を叶えるため看護学校に進むことができましたが、今年1月4日に父親を亡くし、看護学校に関わる費用の支援を求めていました。
看護学校の入学金(300万ルピア)を支払って入学手続きは完了しましたが、制服代(120万ルピア)、1年間の学費(300万ルピア)が未払いの状態でした。学業が進むにつれて学費以外に実習費や教材費なども必要となります。母親が自宅前で雑貨屋さんを営み生計を支えていますが、看護学校での就学継続は非常に困難な状況でした。
看護学校は3年コース、卒業後に国家試験を受けて看護師となります。彼女は、看護学校を卒業して資格を取ったら、日本で看護師の資格を取りたい。そのためにも日本語を勉強していると言う背景があります。
子供たちの自立を応援することが当会の活動主旨であり、これまでの彼女の努力を知るがゆえに何としても彼女の夢を叶えてあげたい。彼女の進学に対する就学支援の開始を理事会総意で決定させていただきました。 今後とも皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

アチェの子供たちの日本訪問

昨年に続き、東日本大震災被災地域への慰問と現地の子供たちとの友好交流を主目的に今年11月12日〜20日の日程にて「アチェの子供たちの日本訪問」を予定しています。
今年は、晃月スクール第3期卒業生4名、第2期卒業生1名、奨学金受給者1名の計6名の子供たちが来日して、福島県相馬市と岩手県大槌町を訪問させていただきます。
アチェの子供たちが日本の皆様との絆を更に深めることができる訪問となるよう準備を進めて参りたいと存じます。皆様のご理解とご協力の程よろしくお願い申し上げます。

◀ 2011年に来日したアチェの子供達

福島県相馬市 東日本大震災活動報告

相馬市訪問レポート

レポート 柳川瀬憲
8月25日と26日、福島県相馬市での鍼灸整体・ボディーワークの活動に初めて参加させて頂きました。以前からPAC通信などで皆さんが参加されているのは知っており、今回の日程を聞いて「行ける!」と思い、様々な思いを胸に参加させて頂きました。
1日目は大野台第二仮設、2日目は「はらがま朝市クラブ」の「報徳庵」にて活動させて頂き、60名以上の方々に来て頂きました。震災後の状況を目の当たりにし、言葉を失い躊躇している私に対し、相馬の方々は非常に明るく接して頂き、逆に元気を頂いた様に思います。
活動の合間に福島県唯一の潟湖である松川浦に連れて行って頂きました。日本百景のひとつに数えられ、江戸時代には中村藩の遊休所とされていた場所だそうですが、まだ観光できる状態ではありません。太陽の光が水面をキラキラと照らした綺麗な海が広がっていますが、子供達は海水浴もできません。海苔やあさりの養殖が盛んだったとの事ですが、漁業はまだほんの一部しか再開できていない状況です。付近の旅館には、今は建築関係の方が宿泊していますが、ずっと宿泊してくださるわけではありません。
相馬の方々の笑顔や、ようやく瓦礫が撤去された町並みを見れば、復興に向けての状況は進んでいると思いますが、目に見えない不安や問題がまだまだあります。今回、実際に参加させて頂くことにより、現地の方々のお話や今までの活動内容を改めて聞く事もでき、何ができるかわからなくても、もっと早く参加していれば良かったと後悔しています。 この状況が続く限り、出来る限りこの活動に参加させて頂き、一人でも多くの人にこの現状を伝えていきたいと思います。

心と心がふれあう関係を目指して、活動を支えて下さっている皆様を紹介する「私たちの絆」。今号は、当会法人賛助会員として日々の活動を力強く支えて下さっている永伸グループ、常務取締役の山道勝昭さんを紹介させていただきます。

山道 勝昭さんのメッセージ

夢を持ち、夢を叶える。
9月2日(日)午後発、9月6日(木)午前着という強行日程で、アチェを訪問させて頂きました。今回の主な目的は、晃月スクール第3回卒業式&設立5周年記念式典に参加する事です。3年間本当に頑張った9名が、厳粛なる式典の中、卒業していきました。その中、心に残った事をご紹介させて頂きます。
「夢を夢で、終わらせないでください。」松川晃月先生のメッセージ。「今日が終わりではなくスタートである。やり続けることがパワーになる。」永尾理事長のメッセージ。卒業生・在校生だけでなく、私の心にも響きました。在校生が合唱した「おもいやりの歌」に胸が込み上げました。
4年前の設立1周年の時にも訪問させて頂きましたが、その時とは明らかに変わったことがありました。参加していた生徒たちのアグレッシブさです。当時ももちろん優れた生徒はいました。今回は皆が自信を持って、日本語&英語で語りかけてきます。必死で応えているうちに、私の声はかれていました。しかも私のつたない英語力では、太刀打ちできない流暢な英語でした。
皆の応援に駆け付けたつもりでしたが、本当にたくさんのことを学ばせて頂いた訪問でした。私も「夢を持ち、夢を叶える」「やるべきコトを、やり続ける」つもりです。同行させていただいた皆様、現地スタッフの皆様、「良心、市民の会」・LCOを支えて下さっている皆様、そして生徒の皆様、本当にありがとうございました。


Kakoji's コラム

このコーナーでは私・加古川圭司こと「カコジ」が日常の体験談や感じたことをお伝えしていきます!

子供たちの成長を感じて。

1年ぶりのアチェ訪問。晃月スクール設立5周年記念式典&第3回卒業式に参列させていただきました。
式典当日は、第1期・2期卒業生も御祝いに駆け付けてくれ、当スクールで学ぶ生徒達の強い絆を感じることができ本当にうれしかったです。
なかでも特に印象深かったのは、東日本大震災被災地への訪問を目的に昨年来日したメンバーの1人、ムクマル君との再会。昨年の印象とは全く違い、その瞳と表情から「たくましさ」を強烈に感じることができました。
スマトラ沖地震から間もなく8年。災害孤児の子供達の保護活動からスタートした当会活動の原点を顧み、決意を新たにした今回のアチェ訪問でした。

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